対策型胃検診内視鏡レポートシステム PAXiS-ES Portableの販売開始

 キッセイコムテック株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役社長:神澤鋭二)は、市町村が行う対策型胃検診内視鏡検査のためのUSB型レポートシステムPAXiS-ES Portable(パクシス イ―エス ポータブル)を、2018年12月より、全国の自治体や医師会、健診施設等に販売開始します。

 PAXiS-ES Portableは、胃検診に関連するすべての施設で手軽に運用が開始できる、USBメモリを利用した全く新しい考え方のシステムです。USBメモリ内に格納されたシステムによって、ネットワーク環境がなくても、ITを活用した複数の医療機関での検査や読影のダブルチェックなどを実現します。また、PAXiS-ES Portableでは、所見入力はもちろんのこと、問診結果の登録や精度管理のための画像評価も入力することが可能です。

本システムを用いた運用の流れは以下の通りです。

@内視鏡検査実施施設でUSBメモリ内に撮影画像を登録し、一次所見を入力
AUSBメモリを二次読影先施設へ送付
B二次読影先施設で、一次所見を参照しながら二次所見を入力
CUSBメモリを健診システム担当施設へ送付
Dレポート結果をcsv形式で健診システムなどへ出力

 これらの運用を実現するために、利用するUSBメモリには、高セキュリティのハードウェア暗号化やパスワードでのアクセス制御などの紛失等による個人情報の流出を防ぐためのセキュリティ対策を行っているほか、パスワード入力を複数回失敗するとデータを自動消去する機能も搭載しています。

■開発経緯
 胃がん検診では、検査項目として、従来のバリウムを用いた胃部X線検査に加え、2016年2月から、胃内視鏡検査も推奨となりました。これにより、内視鏡撮影を行う自治体が徐々に増えてきましたが、市町村の行う対策型胃検診は、複数の医療機関が協力して検査や読影のダブルチェックを行うため、施設ごとのシステム環境を統一することが難しく、IT化されずに所見用紙等を利用している場合がほとんどです。

 このような状況の中、IT化の必要性を感じた公益財団法人長野県健康づくり事業団からの依頼を受け、キッセイコムテックでは、USBを利用したレポートシステムを開発するとともに、長野県立信州医療センターの赤松 泰次先生(内視鏡センター長)のご協力のもと、実際の現場で運用を行いながら改修を重ね、対策型胃検診内視鏡レポートシステムとして、PAXiS-ES Portableを製品化しました。

※対策型検診:地域などにおけるがん死亡率減少を目的とした市区町村による検診

■本製品の概要
 製品名 :対策型胃検診内視鏡レポートシステム PAXiS-ES Portable
      https://www.kicnet.co.jp/solutions/medical/paxis-esportable/
 主な機能:画像登録(JPEG、DICOM)、所見入力(二重読影対応)、所見出力(csv)
 製品特徴:ビューアとレポートシステムがUSBメモリより起動でき、ネットワーク不要
 販売価格:OPEN価格(USB 5本から)