IoTの活用例を解説!産業別の導入例や生活を変えた身近な例

IoTの活用例を解説!産業別の導入例や生活を変えた身近な例

IoT活用例には、生活の悩みや企業の課題をさまざまなアイデアで解決し、新たな価値を生み出しているものがあります。幅広い分野のIoT導入例を参考にしながら、「IoTを使って何ができるか」を考えることで、自社におけるIoT活用の具体的なイメージをつかむことができるかもしれません。

今回の記事では、IoTの仕組みなど基本的な知識について解説しながら、製造業や小売業、物流業、医療など分野別にIoT活用例をご紹介します。

IoTとは?

IoTとは「さまざまなモノがインターネットによってつながること」で、離れた場所でもデータ取得や管理、モノ同士の情報通信が可能になる技術です。

従来は、パソコンやスマートフォンなど限られたデバイスのみがインターネットに接続できましたが、現在はIoT化が家電や自動車、工場設備などにも波及しています。幅広い分野でさまざまなものがインターネットに接続できるようになったことで、製品やサービスに付加価値を生み出しています

IoTの仕組み

IoT機器は、温度や動き、匂いなどを検知するセンサーと通信機能を内蔵しています。センサーが検知すると、データ化して、無線通信技術などを使ってインターネット上に蓄積されます。インターネットを介して、どこからでも蓄積されたデータを確認できるほか、その情報を基に、手元のデバイスから操作することも可能です。

IoT技術を使ってできること

データ収集や通信がさまざまなモノで行えるIoT技術。代表的な活用方法として、次の4つが挙げられます。

赤外線センサーや温度センサーなどを搭載したIoTデバイスによって、人やモノの動きを検知でき、遠隔地からもオンライン上で監視や機械の制御が行なえます。また、モノ同士が通信を行い、人を介さずに機器が連携して作動する仕組みを構築することも可能です。

オンライン上に蓄積されたデータからは、ビジネス戦略において参考にできる情報が得られます。IoTは情報収集の幅を広げ、データ活用を促進させるための技術の一つとも言えるでしょう。

【関連記事】IoTの意味や仕組みとは?工場や企業の活用事例をわかりやすく解説

生活を便利にするIoTの活用例

IoT活用によって利便性を向上している例は、身近な生活にも見られます。暮らしを便利にするIoT活用例をご紹介します。

<IoT活用例1>IoT家電の遠隔操作

家電のIoT活用例

  • 外出先からエアコンの操作
  • 照明を音声で操作

離れた場所からでも、スマートフォンを使って家電のオン・オフや各種設定を確認・操作できる機能は、エアコンや洗濯機などさまざまな家電で展開されており「スマート家電」とも呼ばれています。

例えばエアコンのIoT化は「スイッチの消し忘れ対策」にも有効で、エアコンをつけたまま自宅から一定の距離が離れると、スマートフォンに通知が届くものもあり、節電にも役立っています。AIを搭載したスマートスピーカーと連携させ、話しかけるだけで照明を操作できるなど、さまざまな形で便利な生活を実現しています。

<IoT活用例2>スマートフォンでドアを施錠・解錠

スマートフォンでドアを施錠・解錠できる「スマートロック」もIoT活用例の一つです。帰宅時にスマートフォンを持って一定距離まで近づくと自動で解錠する「手ぶら解錠」や、一時的な合鍵の発行など便利な機能があります。

スマートロックは「鍵をなくす」といったトラブルを回避できるほか、解錠などの操作があった際はスマートフォンに通知されるなど、セキュリティー面のメリットも。子どもが一人で留守番をしている世帯での安心にも一役買っています。

<IoT活用例3>交通機関の運行状況を把握

バスは、交通事情によって時刻表通りにバス停に到着しないこともあり、利用者にとっては悩みの一つでしょう。IoT活用によって、スマートフォンで「今、バスはどこを走っているのか」といった情報をタイムリーに知ることができ、運行に遅れが生じた場合も遅延時間を把握できます

会議など重要な予定がある場合も間に合うかどうかを判断しやすくなり、大幅に遅れそうな場合はタクシー移動に切り変えるなど、状況にあわせた対応がしやすくなるでしょう。

<IoT活用例4>持ち物の紛失を防止

財布やパスケースなど、大切な持ち物の紛失を予防するのがスマートフォンと連動させた、「IoTタグ」です。小銭ほどの小さなタグを財布などに入れておくと、持ち主(スマートフォン)からタグが離れたときに通知が飛び、置き忘れを防げます。

また、持ち物の移動ルートを記録するといった機能や、紛失物を探す際にマップで位置を特定できる機能もあります。

<IoT活用例5>スポーツ・トレーニングをサポート

スポーツ分野でもIoTの活用が広がっています。例えば、心電や血中成分などの生体データをリアルタイムで取得できる「ウェアラブルデバイス」がその一つです。腕時計型などがあり、時計に内臓されたセンサーから心拍などの情報を読み取り、そのデータを分析することで、アスリートのパフォーマンス向上などに役立てられています。

ほかにも、野球のボールにIoTセンサーを内蔵し、腕の振りの強さや強度、そして回転数などをスマートフォンで確認できるものも。選手育成の効率化などにつながることが期待されています。

業界別アイデア厳選!企業のIoT活用例

さまざまな業界のIoT事例を参考に、活用のアイデアをまとめました。産業別にIoT活用例をご紹介します。

小売業|IoT活用による省人化やマーケティング

<小売業でのIoT活用例>

  • 在庫管理や発注の効率化
  • 遠隔操作できるデジタル式の値札
  • 購買行動の分析

小売業では店舗をIoT化し、在庫管理や発注など店舗運営にまつわる作業効率を向上させている例が見られます。酒類を扱う小売業の企業では、陳列棚に重量センサーを取り付け、現場の作業者は棚卸し作業をスムーズに行えるようになり、広域エリアを統括する管理者なども各店舗の状況把握に役立てています。

「デジタル式の値札」は、IoT技術により表示価格の遠隔操作を可能にした例です。POSシステムと連動させ、商品の値下げなども本部のパソコンから一括操作で修正できます。

ほかに、カメラやビーコンなどをIoT化したデバイスを導入し、ビッグデータをマーケティングに活用している大手企業の例も。店内における顧客の動線や滞在時間を分析し、動向の把握や効果的なプロモーションにつなげています。

物流業|リアルタイムの情報を業務に反映

<物流業でのIoT活用例>

  • トラックの位置、状況の確認を効率化
  • 配送ルートの最適化
  • リアルタイムで在庫を可視化

物流業では、配送トラックのIoT化によって積載状態を可視化し、業務効率化に役立てています。例えば、集荷の依頼があった際に、「集荷先に一番近い空車のトラックはどれか」などといったことや、複数の配送先を回る効率的なルートの割り出しも可能です。的確な車両メンテナンスや危険運転の防止、配送ルート追跡など、IoT技術を安全管理やトラブル対策にも役立てている例も見られます。

集荷の際に、荷物情報を読み取らせるハンディターミナルなどのIoTデバイスとシステムの活用によって、リアルタイムで在庫状況を把握できるようになったことも効率化に役立っています。

製造業|IoT化による予知保全や生産性向上

<製造業でのIoT活用例>

  • 機械の稼働状況を遠隔監視
  • 工場設備の故障を先回りして防ぐ予知保全
  • 製品のロケーション管理

スマートファクトリー化が進む製造業では、安全管理も効率化しています。工場設備のIoTセンサーから得られる振動や環境情報などに基づき、AIなどの関連技術も活用しながら故障を予測して防ぐ「予知保全」もその一つでしょう。必要なときに先回りしてメンテナンスできる予知機能を自社製品に応用し、顧客満足の向上につなげている企業も。浄水器メーカーのIoT導入事例で、浄水器にIoTセンサーを取りつけ、メンテナンス時期にアナウンスするサービスを始めた例もあります。

データの可視化によって、設備の稼働率なども正確に算出できるだけでなく、製造現場に埋もれている人やモノの動きなどのムダを浮かび上がらせ、生産効率の向上などに役立つでしょう。

自動車メーカーでは、完成車のロケーション管理をIoTによって効率化し、納品までのリードタイム短縮につながった例もあります。IoTによるロケーション管理は、さまざまな業界で取り入れられており、入出庫管理や棚卸しの効率化などに役立っています。

農業|作業の自動化やデータ活用による収穫量アップ

<農業でのIoT活用例>

  • 遠隔で農作物の生育状況を把握
  • 農業機械や設備の自動運転
  • データに基づく生育方法などの改善

後継者不足による従業員の高齢化や、人材不足といった問題を抱えている農業分野では、作業員の負担軽減、品質・収穫量の向上のために、IoT活用による「スマート農業」の実現に取り組んでいます。ビニールハウスにIoTセンサーを設置することで、遠隔地からも農作物の生育状況や温度・湿度などを確認できるようになったことも、スマート農業の一例です。必要な時期に、自動で肥料や水やりを行なうなど、IoTも活用した自動化が進んでいます。

また、大気や土壌などの環境データを収集し、IoTプラットフォーム上で確認することで、根拠に基づく改善ができるように。このようなデータは収穫量を増やすために役立てるほか、野菜の糖度を高くするなど、品質の向上にも活用されています。

医療・介護|バイタル記録を効率化

<医療でのIoT活用例>

  • 医療機器の予知保全
  • 電子カルテへの自動記録
  • 行動を遠隔でモニタリング

医療分野では、医療機器が正常に稼働するよう、IoTやAI技術も活用して予知保全の取り組みが進んでいます。また、体温計などの医療機器をIoT化することで、バイタルの自動記録を実現。看護の負担を軽減しながら人的ミスも防ぎ、質の向上にも役立っています。

遠隔で患者の行動を見守れるよう、病棟のさまざまな場所にIoT製品を配置する例も。ICタグを搭載したリストバンドを患者が装着することで、病棟の出口へ向かう動線を検知できるなど、看護支援に役立つIoTソリューションが活用されています。このようなIoTを活用した業務支援システムは、高齢者をケアする介護の分野でも活用されています。

【導入事例】IoT活用のためのシステム構築なら「AxisBase」

IoT製品から収集した、膨大なデータを活用するための基盤となるのが「管理システム」です。導入ポイントとして、それぞれの目的にあわせたシステムの構築が重要です。

お客様のイメージをシステムとして具体化できる「AxisBaseなら、ケースに応じて最適なシステムを構築できます。ここでは、キッセイコムテックが提供する「AxisBase」をご紹介します。

課題解決をサポート!セミオーダー型の「AxisBase」

AxisBase」は、お客様のご要望に応じたシステムをご提案できる「セミオーダー型のシステム構築テンプレート」です。低コストや短納期に役立つテンプレート機能も活用することで、システム開発における労力を重要なポイントに絞り、高品質のシステム構築を実現しています。業界の特徴や、それぞれのお客様のニーズにあわせたシステムのご提案も可能です。

実際の活用例として、エレコム株式会社様の取り組みをご紹介します。

エレコム株式会社様|「アドミリンク」開発によるバリューアップやコスト削減

パソコン周辺機器の開発を手掛けるエレコム株式会社様は、同社製のネットワーク機器を一元管理できるリモート管理サービス「アドミリンク」の提供を2022年5月より開始。

これは、従来から提供していた管理サービスを抜本的にリニューアルしたもので、同サービスの開発にあたり、キッセイコムテックでは、クラウド側のシステム開発や基盤選定、各種技術サポートなど幅広く支援を手掛けています。

セミオーダー型のシステム構築によりお客様のDX推進の基盤となる新システムを実現

AxisBase」導入事例のより詳細な情報をご覧になるには、こちらからお問い合わせください。

IoT活用事例のアイデアを自社の取り組みに役立てよう

少子高齢化により、労働者の獲得が難しくなっている日本社会において、IoTも活用しながら省人化や効率化に取り組む例はさまざまな業界で見られ、IoT市場も拡大しています。物流業界や製造業界などでは、効率化だけでなく安全性の向上にも役立てられており、企業によってさまざまな活用方法のある技術でしょう。IoTシステム導入の際は、事業展開にあわせて活用の幅を広げられる拡張性の高さも選定ポイントの一つです。他社のアイデアも参考にしながら、自社のIoT活用におけるイメージを具体化していきましょう。

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